たま大先生

さて。
明日、ライブです。
11月から冬眠してたのでかれこれ4ヶ月ぶり。
今回は元たまの石川浩司さんを中心に、すごく素敵な対バンが揃う中やらせていただきます。
まずは詳細。

「月間たま〜石川浩司編」
日時:3月14日 (土)
場所:京都・西大路葛野大路cafebar大会
TEL 075-313-3999
京都市右京区西院東貝川町30番ホワイトゴービル4F
URL http://www.cafebar-taikai.com/
開場:18:00
開演:18:30
料金:前売2,500円、当日3,000円(+1ドリンク)
出演:石川浩司{exたま、弾き語り・即興パーカッション}、ぱぱぼっくす滝ヶ鼻温泉、ムーズムズ、メス戌&Co.

このイベント、毎月元たまのメンバーを招いて開いていくそうです。
石川さんもさることながら、本当に素敵すぎるメンツ。
そしてなんと!石川さんご本人からのご提案で、この日出演の全てのバンドに各1曲、石川さんが即興パーカッションで参加するというなんとも素晴らしいおまけまで付いてきます。
これべらぼーに楽しみです。どんなことになるんでしょう?


ところで、恥ずかしながら私、昨年、我がバンドのたま好き代表邦彦氏からアルバム『東京フルーツ』を借りるまで、まともにたまを聴いたことがありませんでした。
一昨日から同邦彦氏から借りたDVD『たまの最期』を鑑賞。

たまの最期!! [DVD]

たまの最期!! [DVD]

なんてかろやか!
なんてあざやか!
何かいろんな部分で、「新しい土地を切り拓いたと思ってたらそこにはもうたまが居た」みたいなところが山程あって、まいってしまった。
こんな偉大なバンドを聴いてこなかったなんて…ごめんなさい。


てことでたまのことを全然知らなかった私、wikipediaでたまの歴史を少しお勉強。
http://ja.wikipedia.org/wiki/たま_(バンド)

1984年11月11日 それぞれライブハウスにてソロで音楽活動をしていた知久、石川、柳原により結成。

僕が生まれたのと同じ年なんですね。80年代末ぐらい結成やと思ってました。長い歴史があるんですねぇ。

1990年 シングル『さよなら人類』でメジャーデビュー。宝酒造「純・アレフ」のCMタイアップを果たしたほか、オリコン初登場1位・売上げ100万枚を達成。

これもリアルタイムでは殆ど体験していないようなものなので(当時6歳)いいかげんの歳になるまで、なぜかこの曲とフォーククルセイダーズの「帰ってきたヨッパライ」と混同していました。今回初めてフルで聴きました。こんな風に展開する曲だったとは!こんなアヴァンポップがミリオンセラーというのも何だかすごい。

1996年からは3人での活動となる(柳原脱退後の彼らは俗に3たまと呼ばれる)。
1996年6月、 『あっけにとられた時のうた』でメジャーレーベルに復帰。アニメ・ちびまる子ちゃんのED曲に使用される。

「たま」と聞いて知久さんのボーカルが頭に浮かぶのはこれがあったからなんですね。納得。

2003年10月、吉祥寺STAR PINE'S CAFEでのライブ「たまの最期!!」をもってバンド解散。解散公演の最終日、ホフディランワタナベイビーが飛び入り参加し、柳原脱退以後やっていなかった『さよなら人類』も演奏された。
注)たまで一番のヒット曲である「さよなら人類」は「柳ちゃんが辞めた時点でたまのレパートリーではなくなっていた」が、解散ライブでのワタナベイビーの飛び入りセッションで、いきなり「さよなら人類」を弾き始めてしまうハプニングにより、封印していた『さよなら人類』の演奏が実現した。

あの「さよなら人類」にはそんないきさつがあったのですね。そらぁ否が応にも盛り上がる訳だ。


まだまだこの偉大なバンドへの興味はつきないので、アルバムも順番に聴いていこうと思います。


DVDを見たらいよいよ石川さんに参加していただくのが楽しみでしょうがなくなってきました。
お暇な方は是非是非お越しください。
石川さん、どうぞよろしくお願いします。

別の顔

フィンランドに行ってきました。


きっと外国に出かけた日本人は誰もが幾度となく言ってることでしょうが、日本のごはんっておいしいね。


ラップランド地方の街に2日間と首都ヘルシンキに4日間滞在しました。


写真は要塞島スオメンリンナから臨むバルト海ヘルシンキの街


ヘルシンキでは先に一通り観光っぽいことを済まして、一日はレコード屋とか古本屋とかをふらふら渡り歩いて過ごしました。
5件のレコード屋を廻りましたが、冬の間はどこの店も開店時間がすごく短いようです。
レコード屋の営業時間はだいたい11:00-18:00。
一件、夕方5時半過ぎに入ったレコード屋でレコードを物色していると、6時ジャストのタイミングでそれまで黙っていた店主のおっちゃんが背後で叫びました。


"We have to go home!"


閉店時間を過ぎてもなかなか店を出ようとしない客に何分か待ってから言うのでもなく、ほんとに6時きっかりにその台詞を吐くそのきっちり具合も見事ですが、「俺もう帰りたいんだけど。」っていう自分の都合を全面に押し出したその文句の意図の明確さにはすがすがしささえ覚えました。
ちなみにこれには「買う気がねぇんならけぇってくれ!」という意味が含まれてる訳でもないんです。その時僕の手には購入予定の2枚のレコードがありましたから。
そこんとこも実にすがすがしいですね。

オンとオフの切り替えがはっきりしてんのね。


偶然。その店とは別の新譜屋さんで買ったアルバムも、切り替えがはっきりしたすがすがしい作品でした。

コレ。

MARCH OF THE ZAPOTEC

MARCH OF THE ZAPOTEC


ベイルート、以前から気になってはいましたが、ちゃんと聴くのはこれが初めてです。


Disc1はYouTubeなんかで何曲か聴いてイメージしてた通りのユダヤ音楽。
ホーン主体の楽曲に、スタジオライブの空気録りっぽい録音がマッチしてて、センスあるなぁ。
で、Disc2も同じようなスタイルで演ってるもんだと思って再生してみてびっくり!
いきなりパフュームばりにキャッチーなシンセループから始まり、そのまま2枚目はまるまるエレクトロモードでした。
どうやら中心人物のザック・コンドンが宅録で作った音源らしいのですが、宅録っぽいラフさはなく、かといってものすごく気合いを入れて作り込んだ感じでもないのが絶妙で、やっぱりセンスあるなぁと思いました。

そして音色・音質を含め見事にタイプの違う2枚を、しかも各15分強という短さでパッケージングしてしまう思い切りの良さが素敵。


こういうひとにわたしはなりたい

くるくるフェチ

先月出たアニマルコレクティブのニューアルバムのジャケット。
初めてネットで見掛けた時、まさかこれがアルバムのジャケットとは思わなかった。
なんというか、分かり易いクリエイティヴィティが認められないというか、シンプルといえばそうだけど、デザインとして意図されたシンプルさとはちょっと違う気がするし。

Merriweather Post Pavilion

大きな画像で見てようやく気付きました。
これは“実用的”なジャケットな訳ですね。


これ、動くんです。うにーっと。
動くって言ってももちろん静止画なので、動いて“見える”だけ。騙し絵です。


つまりこれ、今何かの陰謀かと思う程過剰に報道されているアレを嗜むような人なんかにとっては、きっと非常に“実用的”なデザインなんだろうなと思う訳です。
アニコレって、まぁそういうバンドでしょうね。
シングル曲"My Girls"の、コールドプレイが変なキノコ食べちゃったみたいなへろへろiPOD CM風PVも彼ららしい。



で、実はこのジャケットの(というよりトリックの)作者は日本人の先生らしいのです。
立命館大学で教えてみえるんですね。
この方のホームページがすごいんですよ。


北岡明佳の錯視のページ
http://www.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/


何がすごいってその作品の点数!
学術論文から講演記録、おまけも含めてあまりに充実したコンテンツ!
手作り!
錯視によせるその計りしれない情熱!


その中で僕がはまった錯視をひとつ。


一応先にサイト冒頭の注意書きを添えておきます。

ご注意 このページには「動く錯視」(静止画なのに動いて見える錯視)が含まれています。現在まで錯視が人体に有害な影響を与えるという証拠はありませんが、車酔いなどを起こしやすい方はご注意下さい。万一気分が悪くなりましたら、速やかにこのページから退去して下さい。


http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/catalog.html

ページ下部、運動視の錯視の項目の「運動残効」という錯視。
数十秒間動画を見つめた後に別の場所に視点を移すと…


僅か数秒間、エイフェックス・ツインのPVのようなバッドトリップな世界なひろがります!
うんにょ〜〜

Compact disc can never die

昨年末から細野さんのソロアルバムがたくさん再発されてとても嬉しい。しかもこれまで手に入りにくかったモナド〜アーリー90'sのアンビエント期が中心のラインナップで尚嬉しい。


カタログコンプリートは不可能なので、ずっと気になってたアルバムから。
12月に『COINCIDENTAL MUSIC』、『PARADISE VIEW』、『THE ENDLESS TALKING』と買っていって、先月は『omni sight seeing』を買いました。

omni Sight Seeing

omni Sight Seeing


90年前後は、細野さん自身アンビエントの海にどっぷりだったと振り返っている時期だし、個人的にニューエイジの思想とかはちょいと苦手なところがあるので(『LOVE,PEACE&TRANCE』なんかはちょっと苦手)、どうかなと思いながら聴きましたが、すんばらしい!「す」と「ば」の間に「ん」が入ります。


で、やっぱり細野さんの魅力は「軽さ」だな、と再認識。
アンビエントにどっぷりでシリアスな時期だったなんて言いながら、観察者の持つ「軽さ」があるなと。
89年当時のワールドミュージックの盛り上がりがどんな様相を呈していたのか僕は知りませんが、細野さんがここでとった「観光」という立場が、その「軽さ」が、何か普遍的な魅力をこのアルバムに与えている気がします。良い意味で時代の音がしない。
これが完全限定生産というのはもったいないなぁ。トロピカル3部作と同じくらい重要でポピュラリティーのある作品だと思うんですが。



で、今日の本題はアルバムの中身ではなくてジャケットについて。恐縮ながら、苦言を呈したいのです。


omni sight seeing』の再発、とにかく楽しみにしていた僕、発売日に近所のHMVに買いに走りました。
邦楽のほ…ほ…ほ…細野晴臣
あんまり品揃えの良い店とは言えませんが、ちゃんとあります。『omni...』と同時発売の『源氏物語』と『MEDISON COMPILATION』も並んでる。全部欲しいけど財布は寂しく、今日のところはお目当ての『omni...』一枚で我慢するか、と手に取る。
ネットでCDを買うことも少なくない今日この頃ですが、店頭で実際に商品を手にとって購入を決めるのはやはりわくわくするものです。


ところが、
どうもおかしい。
わくわくしない。
…気にかかりながらもとりあえず購入して、家に帰って封を開けてから気付きました。


あー!ジャケットの…
文字が、写真が、ぼけぼけではないか!


これ、多分ジャケットの元原稿が残っていなかったため、印刷物(当時販売されたCDのジャケ)からスキャニングして刷ったんでしょう。
スキャニングしっぱなしで何か画像処理した様子も見受けられず、写真や文字の細部はぼけて、スキャン元の網点を拾っているため色は浅くにごって、果ては傷や色褪せまで拾ってしまっていました。


そのせいで、新品の製品を手にした時に感じるわくわく感が損なわれていた訳です。


でもこういうの、再発ものでは実はそんなに珍しいこっちゃないのです。
ブラジルのアナログ再発ものなんかもっとひどいのはざらにある。


ただ今回なんとなくそれを見過ごせなかったのは、本人監修によるリマスタリングとか、デジパック仕様とか、新しいライナーノーツとかの付加価値を付けて相応の値段で販売してるのに、商品の顔になるジャケットがこのレベルでいいんだろうかと感じたから。



最近レコード会社各社が、SHM-CDとかHQCDとかBlu-specCDとか新素材のCDを高音質を謳って展開しています。
CDの売り上げが音楽配信に押されて(理由はそれだけじゃないでしょうが)低下していることを受けて、あまり開発コストをかけずに、消費者にもコストをかけさせずに、パッケージ商品に新しい価値付けをしようという試みなんでしょうが、「素材が変わって音が良くなる」って理屈はわかるような気もしますが、正直なんだか眉唾な感じもします。だって中身はおんなじデータだよ?それにその値段設定…

配信と、CDやアナログレコードなんかのパッケージ商品と、どちらがレコード会社にとって収益性が高いかは知りませんが、パッケージ販売の低迷に危機感を持ってこういう商法を打ち出したんだろうというのは想像に固くありません。
でもコンピューターの技術革新は日進月歩。配信音源の音質がCDの音質を超えるのも遠い未来の話ではないでしょう。ならば、この「音と連動したアートワークを施した紙やプラスチックのケースに音が詰まった円盤が入った記録物」=“20世紀が生んだ愛すべき発明”の何に僕らが魅かれてきたのか、総合的に見直す必要があるんじゃないの?


音が、写真やイラストが印刷された箱に入って、ひとつの作品として販売される。それならその箱に印刷された写真やイラスト(文字だって)もその音の次ぐらいには重要なはず。その作品をより良い形で聴いてもらいたいと思うのなら、リマスターとか新素材とかで音をクリアにするのと同じくらいジャケットだってクリアにしなきゃ。


omni...』を買ってから、「こんなことは取るに足らないようなことなのかもなぁ」とも思いながら、あれこれ考えていたのですが、今日買った本を読んでやっぱりそういうのって大事なんだよって改めて思いました。


杉浦茂傑作選集 怪星ガイガー・八百八狸

杉浦茂傑作選集 怪星ガイガー・八百八狸

印刷精度の低い半世紀前の雑誌の付録しか残ってないところからだってこんなきれいな本が作れるんだよ。
なんてったって愛があるから。


そうそう。

愛だよ、愛。

MESCO IN DA (NEW) HOUSE!!!

メス戌&Co.岩田(あ)です。


ブログ引っ越しました。
アンテナとかRSSとかブックマークとかで日頃お世話になってるはてなさんに。


今後更新していくかどうかあやしいですが、ライブ情報ぐらいは載せていくんじゃないかと。


メス戌&Co.11月以降ライブをお休みしておりますが、3月には復活します。
詳細はまた後日。